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ハラハラ帳

引出し(抽出し)の魅力


15年以上前、ある収納家具(当時は婚礼家具とか言ってました)メーカーから、新しい商品提案を頼まれました。で、キャビネットメーカーで出来る商品として、リビングルームに置く引出しの家具を提案しました。当時の引出し家具というと、婚礼タンスから発生した衣類の収納家具や、チープな作りのユニット家具がほとんどでした。引出しというのは、小さなモノの収納には最適な機能です。それにいい作りの引出しというのはなんとなく、大事なモノを仕舞っておきたいという気分にもさせられます。昔の、小さな抽出しが沢山並んだ薬箪笥なんか秘密が一杯詰まっていそうで魅力ありますよね。で、それをイメージして引き出しが並んだ家具を作りました。引き出しの基本モジュールはCDがぴったりと収納できるサイズとして。さらに、引出しの前板は同じカタチでも内部の大きさは変え、引き出してみると、2つ分、3つ分、4つ分と、いろいろなサイズがあるようにしました。当初の試作では、すべて無垢材で作ったこのシリーズ、実際の量産タイプでは、本体をフラッシュ構造にして、引き手(ビー玉を使いました)、脚部などを変更して今でも某メーカーで<bees bee>シリーズとして15年以上も作り続けられています。先日、中嶋さんと、作り手の技術や無垢材の魅力があるスタンダードの引き出し家具(チェスト)を作ってみたいね、それも何年も使っても飽きないモノ、いや年と共に味わいがでるようなモノ、というコンセプトをたて、「ザ・チェスト」(仮称)の開発をすることにしました。楽しみです。
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上は「チェス」と名付けたシリーズ。3x3の小さなモノもあります。
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我が家で愛用の最初の試作品、未だ天板と側板の無垢材の段差もなく、色も15年ですっかりいい感じになりました。カメラや、薬、その他、家族の秘密の抽出しです。
by hararana | 2007-08-26 08:10 | 家具の話 | Comments(0)