オーガニックフォルム
デザインを生業として独立した時。まず、買わなきゃならない、と考えたのはドラフターとカーブ定規。特にこの100枚組のカーブ定規は今でもイスのデザインする上ではなくてはならないモノ。家具の中でもキャビネットなどは収納するという機能や建物との取り合いも必要なので、どちらかというと建築系の家具。しかし、イスやテーブルといったモノはそれよりも人の身体との関連が多く、人体系の家具ともいえる。人間は有機的な生き物、なにより、自然界に存在するフォルムは全て有機的なカタチから出来ている。学生時代に教わった柳宗理先生からも、「ダメダメ!定規とコンパスだけのカタチでは不自然だろ。有機的なフォルムを学ばなくては。」とよく言われた。イスや小さなテーブルなどのデザインはまず、原寸図でスケッチ、フリーハンドで何度もフォルムを描く、実際の寸法を確認しながら。決定したフリーハンドの曲線にカーブ定規でRを指定。すごくアナログ的なやり方なのだが、パソコンでどんなにデジタル化した作業が増えても、このプロセスは譲れない。なにより、人間の思考の速度にもあってるのか、疲れないし、カタチを決めてるという実感があるんだよなぁ、こうやって描いていく原寸図。

by hararana
| 2006-09-03 13:27
| デザインの話
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