漆で繕う。
割れたり欠けたりした陶磁器を金継ぎで繕い始めて2年程。拙い技術ながらも我家の食器や酒器をいくつか再生しては使っている。金継ぎは別に金でくっ付けるわけではなく、接着するのは漆。で、金粉はその上の化粧なので、銀でもいいし、漆のままでもいい。
金繕いの一回の作業時間は短く、付けたり塗ったりしたあとに毎度乾燥させる(ダンボールの室で)のに時間(日数)が掛かるだけなので、事務所での仕事の合間の気分転換に丁度いい。
しかし、壊れた器を補修するだけでなく、新たな価値を作りだす日本の金継ぎってすごいなと思うが、TVでやったりしてる金継ぎ教室の金だらけの成金器は酷いね(笑)。
漆と小麦粉を練って接着材とする。欠けの埋めは漆と砥の粉でパテをつくる。実に理に叶った昔からの素材と技術。

欠けた白山陶器の小鉢、まっ二つに割れた自作の盃は繕って再び愛用中。

先日繕った莫窯・上原さんの定番品の白瓷深皿は金を蒔く前の赤漆を施した状態で完成とした。

近所の骨董屋で見つけた唐津の絵皿は2個所欠けていたので¥600。それを補修したら却って味もでて儲けモノ(笑)。裏印から中里太郎右衛門窯のモノらしい。

欠けを補修し金を蒔いた森正洋デザインの平茶碗、麦漆で接着した皿はこれから研ぎの行程、奥のバラバラに割れたのを復元した朱の碗は事務所での普段使いなので黒漆のまま使用中。

でも陶磁器って、金継ぎしようと思うと割れないのは何故だろうかね?(笑)
by hararana
| 2019-01-19 16:56
| その他の話
|
Comments(0)