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ハラハラ帳

鉄道定規

30数年前に独立して事務所を始めた時、とりあえず必要な道具として、A0サイズのドラフターと鉄道定規を揃えた。

金がないのに定規で3万以上は痛かったなぁ(今でも同じ位の値段)。パソコンのディスプレイでデジタルにカタチを決めていく今の世代のデザイナーはこんな定規知らないかもしれない(笑)。が、椅子の図面は原寸で描くワタシにとっては今でも必需品。

フリーハンドで何度も原寸スケッチをした上にトレペを重ねて、カーブに合ったこの定規をいくつも使ってラインを描いたり、原寸模型に定規を当ててカーブを探す作業。図面をカタチにするのではなく、カタチを図面化する。
美しいラインというのは円弧と直線だけでは得られない。

円弧と直線を繋ぐにはそのあいだにさらに大きな円弧を入れて自然なラインをつくるのは柳宗理先生の教え。ペリアンチェアの制作図面を描いてた時、なんどもダメだしをされたのを思い出す(笑)。


鉄道定規。30mmRから5000mmRまでの円弧が100枚組みである。

鉄道定規_d0032761_18185723.jpg
現在進行中のあるプロジェクトのラインを決めていく作業中。この後、原寸模型の制作へと。
鉄道定規_d0032761_18185859.jpg
もう2年越しの(笑)チェアのカタチを決めていく作業中。
鉄道定規_d0032761_18185841.jpg



by hararana | 2018-12-17 18:28 | デザインの話 | Comments(0)