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ハラハラ帳

コッペパンスツール

「チョイスツール」。いわゆるカウンターと組み合わせてつかうハイスツールではなく、立ち姿勢と座る姿勢の間で、チョイと腰をあずける椅子をと、5年ほど前にデザインしS社で商品化。座面は2本のバーを微妙な角度と隙間で構成し座骨が当たらない為以外と座り易く、今でも順調に販売されている。(Gマーク申請はしてない)

「コッペパンスツール」。コンセプトは同じだが、さらに前後がなく柔らかな座り心地でコンパクトなハイスツールをと、今度は椅子張りが得意なN社にて開発。ソファーも作っているメーカーなので、小さな座面は革や布などの端切れが有効利用できる。使う人の身長に合わせて、高さも3タイプ用意した。

メーカーより先日、グッドデザイン賞に選定されたとの連絡があり。

「カタチのバリエーションでなく、座るということを再考察して、新しい座の道具を開発する。」というコンセプトを審査員が読み取ってくれたのと思う。同時にデザイン依頼を受けたウィンザータイプのスィベル(回転)チェアも今年のグッドデザイン賞を受賞。

仕事を始めて3年目のN社とのデザインワークも少しづつカタチになってきただろうか。


「チョイスツール」‥自宅では、壁掛けの電話の側の置いて、チョイ掛け愛用。

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「コッペパンスツール」‥メーカーのカタログより

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左は3タイプの高さの商品。 右は、最初に自分で試作したもの。大きな原寸図面を描くときに全体が見られていい。

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[審査員の評価コメント]

<ホームユースにおける、スツールの役割を再考し解答を出している。立つでもなく座るでもない、メーカーの言葉を借りれば「チョイ掛け」という潜在的な需要に対して、どんな形であればよいか?ということに素直に向き合っている。言い換えれば、多くのことを目指すのではなく、その一点のみに集中したことで、ユーモラスな表情を持つスツールが生まれている。日常生活において、もうひとつ加えてもいいチェアである。>








by hararana | 2016-09-29 14:58 | デザインの話 | Comments(0)