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ハラハラ帳

あの手この手でカタチを作る。

先週はイスの原寸模型を段ボールで格闘し制作したが(これは実際に座れる)、今週は別のデザインのイスを紙で作った。これはカタチを見る為だけのもので、座るとペシャッと壊れる(笑)。プロダクトデザインというのは、いくらスケッチや、図面、レンダリングでカッコ良く見えても、実際の大きさで全ての角度から見てみないとわからないもの。その為、実材での試作に入るまでに、あらゆる手段でフォルムの途中確認をする。その為我が事務所では、よく紙で実物大のカタチを作る。ま、どんなものでもカタチだけなら作れないモノはない。
昔、天童に居た時、厚紙で実物大のイスを作ってデザインを検討してるとき、当時上司の乾三郎常務(座卓のデザインで有名)が話しかけながらその紙のイスに座ろうとし、危うく大声を上げて制止したことがあった。腰を痛打し、大変なことになるところ。(笑)

今回の丸棒でのイス、なかなか面白くなりそう。試作へと入れるといいのだが。そういや、実物大で座れない陽炎のような紙模型、ワタシ以外に作ってるデザイナーを見たことがないなぁ。(笑)
あの手この手でカタチを作る。_d0032761_1519384.jpg

これは、20年前に某メーカーの為にデザインし製品化した、チック(ひよこ)チェアー。左が試作に入る前に作った実物大の紙のイス(脚も紙)。勿論、ネコが座ってもペシャッとなります。(笑)。右が実際の製品となったモノ。
あの手この手でカタチを作る。_d0032761_15201429.jpg

by hararana | 2011-11-14 15:28 | デザインの話 | Comments(2)
Commented by 羽川再生堂 at 2011-11-16 05:49 x
模型と言っても完成度が高いですネ。
円筒の継ぎ目の納まりを観てもそれが分かります。
完成度が高くないと検討にはならないのでしょうが・・・・・・・。
ミリ以下のプロポーションやデティールを追いかけているのでしょうネ。
ハララさんにとっては製品へのプロセスの1つなのでしょうが、模型自体が作品として成立しいると思ってます。
ヤル気頂ました。
Commented by ハララ at 2011-11-17 17:31 x
理想は実材で製作できる工房なり工場を持てればいいのでしょうが、
そうすると、デザインそのものより、製作することに没頭しそうで‥、
なんとも言えないところですね。(笑)

紙の模型、自分でカタチを確認するためのスタディモデルなのですが、
工場の職人さんへの、説得力もかなりのものです。
以前、スタジオダンボールと称して、どんな家具でも、段ボールや紙で
1/1のモデルを作ってしまおうか、と考えたこともあります。
事務所の中心には、巨大なカッティングボードを置いて。(笑)

ミリ以下は羽川さんの世界で、家具では四捨五入します。(笑)