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ハラハラ帳

一皮むけば‥

キャビネットの扉などは、だいたいフラッシュ構造といって、木枠や合板を下地に表面は薄く木をスライスした突き板というのを貼って作ってあることが多い。無垢の木では、大きな面積の板は、先ず反って扉が閉まらなくなるし、第一、重くて実用的ではない。その合板というのは、DIYの店でも売っているラワンベニア。しかし、実は、ベニア(veneer)というのは、薄い一枚の単板のことをいうので、正確には合板はプライウッド(plywood・重ね合わせた板)という。で、家具等に使う場合は、その表面にさらに薄い、綺麗な木目の木をスライスして作った突き板(コンマ数ミリ厚の)というのを貼って、使用している。どんなに高価な銘木を使った扉でも、一皮(コンマ数ミリ)むけばラワンベニアというわけだ。これを化粧板という。化粧しているわけです。
これは、実にまやかしではないかと、昔、あるメーカーを説き伏せて、ラワン合板そのままで、キャビネットを作り、展示会に出したことがある。コピーは「すっぴんの家具です」。結果は、全く売れなかった。その展示会の対象はお店のバイヤー達なので、そんな家具は市場にないので、売れるはずがない、と。だから、日本中の家具店はダメになったのだろうと今でも思う。なんせ、自分でモノを判断できないんだから。今売れてるものを基準でしか、モノを判断できないバイヤー達。ま、そこんとこ話し出すと長くなるからやめるが。
自宅を作った時、家の中は出来るだけガランドウにして、家具で空間を仕切るようにした。その家具の材はすっぴん材。すなわちラワン合板で全て製作した。但し、ラワンベニアの色は全て赤っぽい同系色のものを選んでもらった、そして塗装は工業生産的塗装。我が家に来た人は皆、これがDIYで売っているラワンベニアと同じものとは、言わないとわからない。ローコストでロープライスな収納家具。但し、素材感がある高質家具。


L型のキッチン収納家具、両面使いのカウンターなど、全てラワンベニア製。階段下はシナ合板で扉のみ付けた(家の壁面はシナ合板なので)。
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玄関のシューズボックスは天板のみシナ合板。右の天井まで扉の収納家具はw800のを3つ連結したものを背中合わせにして、両側から使うようにした(すなわち、これで空間を仕切る)。サイドのパネルは黒くペイントしている。
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システムキッチンではない。これもラワン合板ボックスの組み合わせ。
ステンレス部分は業務用の厨房を作ってるステンレス工場に出向き、特注で作ったもの。(驚く程、安価に出来たキッチン)。
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by hararana | 2010-03-26 23:18 | 家具の話 | Comments(0)