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ハラハラ帳

<TANA> project

モノを置く台、それを立体的に構成したものが<TANA>タナ。
なんとイージーな定義だ。(笑)
家具のデザインの仕事は、対メーカーとの仕事が多いのだが、単にクライアントからの依頼テーマに沿ったものだけでなく、こちらからクライアントへ新しい企画を提案することもある。昨日展示会が終わったプロジェクトもそう。もともと書棚などを製作しているメーカーの仕事。その会社が持つ技術、生産体制、開発力、一番はTopの新しいモノへのチャレンジ意識などを考えて、<タナ>をテーマに展示会をやろうと、企画を示したのが昨年秋。その時、すでに開発スケジュールや、展示イメージも出した。それから2ヶ月。商品が完成したのは展示会の前日。かなりタイトだだったが、なんとか発表までこぎつけた。しかし、ちゃんと模型で検討したり、何度も検討会をしたりと濃いプロセスを経てるので、完成度はある。展示会用のパンフレットも制作している。展示プランも当初にイメージした通り。いままでのそのメーカーが持っていた顧客以外の層を取り込むという計画の第一段階としては効果があった展示会。このトライを数回続ければ、確実にメーカーはイメージチェンジが出来、新しい顧客は獲得出来る。今回開発した商品は全部で7タイプ。そのうち2タイプはメーカーの若いデザイナーと今までそのメーカーと仕事しているデザイナーのデザイン。但し、すべての商品は検討会の中で、みんなの意見が入っており、それも商品力を高めている。私のデザインにおいても、ポッと出た案でなく、いままでずっと考え、模型やスケッチで温めておいたものを、再考して提案したものがほとんど。デザインには熟成期間も又必要。
このメーカーの若い社長は、新しい分野(メーカー直の家具のネット販売)で実績を上げ、ベンチャー企業のセミナーなどの講演にもよくかり出されている。これからのメーカーのあり方などにおいては話が通じやすい。又、工場の現場にも、何人も若い開発担当社が頑張っており、確実にチェンジ、発展していく予感がする。

企画書提案後2週間目にはもう模型で検討会。
<TANA>  project_d0032761_16123373.jpg
商品名は「組棚」「増棚」「曲棚」「帆棚」「浮棚」「生棚」「棒棚」
<TANA>  project_d0032761_16125217.jpg
これは無限に増せるという、好評だった「増棚。なんの変哲もないようだが、見えないジョイントにデザインがある。10年以上前から考えてたディテール。
<TANA>  project_d0032761_161357.jpg

by hararana | 2010-01-15 16:28 | デザインの話 | Comments(0)