ハラハラ帳

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記憶するのではなく、感じること。

中学校の頃の話。国語がキライだった。読書もしかり。試験があると、本の一節が書かれて、次に何人かの作者名。で、問題は著書と作者を合わせる。あるいは著書名や、作者名を述べる。あ〜〜一体なんになるのだ、こんな事覚えて、と。そんな時、アユカワ先生が、国語の担任となられた。年配の女性の先生である。アユカワ先生が本を読みなさいと言う。「本というのはね、川の水。みんなの頭の中は川の中の石。川の水は絶えず流れていて、いつしか汚れていた石も綺麗になるでしょう。読書も同じ事。大事な事は、内容を覚えることではなく、それによって頭の中が洗われること。だから、本を読みましょう。」と。あ!と思った。なにかがはじけた。その後、本を読むのも苦痛でなくなった。だって、覚えなくていいんだから(笑)。感じること。中学校の授業で記憶に残ったことはこれだけ。というより、この一言を聞いただけで、十分だった。
今回の信じられないほどの東北大震災。繰り返し流される映像で記憶には残るだろう。が、記憶は時と共に褪せてくる。大事なことは、記憶ではなく感じる事。45年前のアユカワ先生の言葉のおかげで、今ワタシの頭の中はザーザーと水が流れている。いろいろな事を感じている。
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by hararana | 2011-03-22 21:54 | その他の話 | Comments(2)

必要なモノとムダなモノ

金属や木など使うメーカーの為に、デザイナーにステーショナリーの開発などを依頼すると、よく出て来るのがペーパーナイフや、ペーパーウェイト(笑)。しかし、どちらも実際のデスク作業上ではあまり使うものではないし、お飾りみたいなモノが多い。ったくデザイナーというヤツは、必要なモノもたまには発案するが(笑)、ムダなモノをひたすら世に送り出す。が、ワタシ愛用のペーパーナイフはなかなか役立に立っている。もう30年以上前にブラジルへ渡ったままの、仕事の先輩のアベさんから戴いた手作りの2本のナイフ。刃の部分は古い金切り鋸の刃を加工した刃。柄の部分は木屑となるようなローズウッドの木を二枚合わせて、作ったもの(実に簡単にできそうな)。図面を描くたびに大きなトレーシングペーパーを切るのでこれが役に立つ。鋭からず、甘からずの程よい細身の刃。ワタシにとっての比類なき逸品。阿部さん、どうしてるだろうか?
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切れすぎてもダメ、切れなくてもダメ。ころあいが難しい。
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HARAは後から彫ったもの。
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by hararana | 2011-03-21 15:37 | その他の話 | Comments(0)

どうやったら売れるか?

コンビニにも売っている、ボトルコーヒーとヨーグルトの容器。外側のシールをはがし、洗って、いくつか置いておいた。よく見ると、実に美しい。何故か。機能と生産性、コストなどを追求したカタチのみ。じゃ、貼ってあったシールは何なのか?ということで?30年前に、無印良品のアートディレクターとして、コンセプトを確立した田中一光(1930〜2002)。その仕事は今でも引継がれている。使うためのデザイン、売る為のデザイン(これが実に多いのだ)、いろいろなデザインがある。ただ、売る為のデザインというのが、わかりにくくなった。うまく、仕掛けや戦略という言葉に置き換えられているから。(笑)
一番大事なのはコンテンツ。即ちその内容。ということを忘れてはならない。
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by hararana | 2011-03-07 10:11 | デザインの話 | Comments(0)

40年前のグーグルアース

地球上のあらゆる場所をクリック、マウスホイールを廻す、あるいはトラックパッドをピンチして、場所を拡大、縮小。今じゃパソコンでは当たり前の機能。それを見ると、遥か昔の事を思い出す。

39年前の大学の授業。今日は、東京から自らジープを運転してやってくる柳宗理先生の授業の日。いつも刺激的な授業で、授業が終わったあとは、毎回興奮してしばし呆然としていた記憶がある。その日、柳先生はこころなしか嬉しそうな顏で、小脇に映画のフィルムを持って登場。昔のことだから、ビデオなんかあるはずもなく、16mmフィルムの映写機をセットし、まるで教室が映画館となる。「これは面白いぞ」と興奮して言われ映し出された映画は、チャールズ・イームズの有名なパワーズ・オブ・テンの最初のスケッチともいうべきフィルム。その後、世界中で科学教材としても使われたpowers of ten の完成は9年後なので、その時はまだ白黒フィルムのもの。多分アメリカから直接持ってこられたのだろう。まさに今のグーグルアースにあるような光景がコンピューターもなく、ちゃんとした衛星画像もない時代にイームズによって創られていた。しかもそれが手作りの映画で(アニュメーションの技法を酷使して)。イスのデザインで余りに有名なイームズではあるが、幅広い仕事を残しており、数々のショートフィルムの名作映画も沢山ある。その後、柳先生の授業で「コマ」「おもちゃの列車のためのトッカータ」などの映画も食い入るように見つめた記憶がよみがえる。

powers of ten
ピクニックから始まる映像は、10秒ごとに10倍づつ遠ざかり、宇宙の果てまで。こんどは逆に10秒ごとに10倍づつ近づき、最終的には人体原子の内部まで旅する。
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実はこんな感じでまさに手作り感覚で創られていた。スタッフだって、チャールズとレイ夫妻、その他数人。いまじゃ考えられない。(笑)
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by hararana | 2011-03-01 08:44 | デザインの話 | Comments(0)