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ハラハラ帳

40年前のグーグルアース

地球上のあらゆる場所をクリック、マウスホイールを廻す、あるいはトラックパッドをピンチして、場所を拡大、縮小。今じゃパソコンでは当たり前の機能。それを見ると、遥か昔の事を思い出す。

39年前の大学の授業。今日は、東京から自らジープを運転してやってくる柳宗理先生の授業の日。いつも刺激的な授業で、授業が終わったあとは、毎回興奮してしばし呆然としていた記憶がある。その日、柳先生はこころなしか嬉しそうな顏で、小脇に映画のフィルムを持って登場。昔のことだから、ビデオなんかあるはずもなく、16mmフィルムの映写機をセットし、まるで教室が映画館となる。「これは面白いぞ」と興奮して言われ映し出された映画は、チャールズ・イームズの有名なパワーズ・オブ・テンの最初のスケッチともいうべきフィルム。その後、世界中で科学教材としても使われたpowers of ten の完成は9年後なので、その時はまだ白黒フィルムのもの。多分アメリカから直接持ってこられたのだろう。まさに今のグーグルアースにあるような光景がコンピューターもなく、ちゃんとした衛星画像もない時代にイームズによって創られていた。しかもそれが手作りの映画で(アニュメーションの技法を酷使して)。イスのデザインで余りに有名なイームズではあるが、幅広い仕事を残しており、数々のショートフィルムの名作映画も沢山ある。その後、柳先生の授業で「コマ」「おもちゃの列車のためのトッカータ」などの映画も食い入るように見つめた記憶がよみがえる。

powers of ten
ピクニックから始まる映像は、10秒ごとに10倍づつ遠ざかり、宇宙の果てまで。こんどは逆に10秒ごとに10倍づつ近づき、最終的には人体原子の内部まで旅する。
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実はこんな感じでまさに手作り感覚で創られていた。スタッフだって、チャールズとレイ夫妻、その他数人。いまじゃ考えられない。(笑)
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by hararana | 2011-03-01 08:44 | デザインの話 | Comments(0)